キヌバリ
絹張
Pterogobius elapoides
撮影地:静岡県伊東市 水深8m

  

キヌバリという魚は、その美しさから和名が命名されたそうです。キヌバリは絹張と書きますが、
伝統的な提灯や和傘には紙を張った物の他に絹を張った物があり、どちらも紙張りよりも美しい
と表現されています。提灯も傘も連続した骨組みがあることが特徴ですが、そう思って見るとキヌ
バリの黒い横筋が骨組みに見立てているようにも見えます。 魚の模様は頭を上、尾を下にした
状態で見るため、縦縞と横縞は泳いでいる状態とは逆になります。キヌバリを縦にしてみると、和
傘というよりは、ぼんやりと美しい光を放つ絹張の提灯に思えてきます。  三浦半島や房総半島
では浅瀬でよく見るイメージですが、伊豆半島ではどこでも見られる魚ではありません。