アントクメ
安徳布
Eckloniopsis radicosa
撮影地:静岡県伊東市 水深7m
  

アントクメはコンブ科の大型海藻です。伊豆半島では早春に芽生えて一気に成長し、海底が見え
ないほどになったかと思うと初夏には枯れてしまうという驚くべき成長を繰り広げる海藻です。手
触りはかなり硬いので「食べる」というイメージが湧きにくいのですが、西伊豆や伊豆大島などで
は郷土料理の地域食材です。茹でたアントクメを包丁で刻むとワカメのメカブのように粘りが出て
ご飯にかけて食べると絶品とのこと。また、乾燥させたアントクメをお湯で戻し、味噌汁や煮物、
炒め物などにするそうです。包丁で刻む際のトントントンという音から西伊豆の仁科地区では「トン
トンメ」と呼ぶそうです。「しわめ」という呼び方の方が広いかもしれませんが、トントンメは可愛らし
いですね。