ヒジキ
鹿尾菜、六味菜
Hizikia fusiformis
撮影地:静岡県河津町 水深1m 6月
  

ヒジキは縄文時代から食べられていた歴史のある海藻食材です。よく知られたヒジキですが、加工された後の真っ黒なイメージが強いのではないかと思います。生きているヒジキは浅瀬に生える、琥珀色の大きな海藻です。 ホンダワラ科の海藻であるヒジキは冬から春に急速に成長します。主軸から沢山出ているプリッとした紡錘形の小枝や気泡部が芽ヒジキと呼ばれる部分で、それ以外の茎部は長ヒジキ、茎ヒジキと呼ばれて区別されますが同じヒジキです。葉部は根元の方にわずかにあります。 ヒジキにはオス株とメス株があります。小枝の付け根の小さな突起の集まりがメス株の生殖器官です。花のように見えるので「花が咲く」とも言うようですが、ヒジキは種子植物ではありませんので花は咲きません。春になると何もないように見える岩肌から驚くほどのスピードで成長し、生殖細胞を放出して夏には枯れてなくなります。ただ、岩には糸状の付着器(陸の植物でいうと「根」のような部分)は残っていて、翌年の春にはまた湧くように成長し、日本の食卓を豊かにしてくれます。寿命は5年~8年と言われています。

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