フクロムシ
袋虫
Parasitic barnacle
Rhizocephala
撮影地:静岡県伊東市 
  

フジツボなどに近い生物で、甲殻類です。  フクロムシは幼生の状態でカニに取り付くと、植物の
根のように体内へと糸を侵入させ、カニの内臓から栄養を摂取したり、神経に絡んでカニ自体をコ
ントロールします。
映像の黄色い部分はフクロムシの卵巣部分で、カニはフクロムシにコントロールされているために
自身の卵は作れず、フクロムシの卵巣を自分の卵だと思ってケアします。 寄生したカニが雄の場
合は神経のコントロールで徐々にメス化させて、フクロムシの卵をケアさせます。
カニが脱皮しても内部の糸は残るので寄生は終わりません。脱皮後は再び卵巣を発達させてカニ
にケアさせます。
以上は全てメスのフクロムシで、雄は見えないくらい小さく、フクロの隙間に入り込みます。雄は生
殖能力しかありません。 卵が放出されると雄のフクロムシは用済みとなり廃棄されます。
また新しく雄のフクロムシ幼生を見つけないといけませんが、カニの神経をコントロールして、海中の
雄幼生を探して捉えるような行動をさせます。  
まるでSF映画に出てくるような、おぞましくも驚愕の生物ですが、ショウジンガニのお腹を覗いてみる
と結構な割合でフクロムシが付いており、特別な存在ではありません。 フクロムシ自体に毒性はなく、
食べても不味いものではないそうです。美味しくもないらしいです。