元気に泳ぐこの生物には、血管などの循環器官も、酸素を取り込むための呼吸器官もありません。
ヒラムシはごく単純な構造をした生物ですが、環境には見事に適応しています。１ミリにも満たな
い厚さと、恐ろしく柔軟な体はあらゆる隙間へ侵入することができます。時には貝の中へ侵入して
捕食することもあるといいます。雌雄同体で繁殖し、フグの毒であるテトロドトキシンを含む種類も
あり、捕食の際に貝を麻痺させるそうです。ただ非常に体は脆く、いとも簡単にちぎれてしまします。
単純さで環境に対応することと、身を守ることは相反することなのかもしれません。