シロガヤのコルビュラ
シロガヤ
Aglaophenia whiteleggei
コルビュラ
corbela
撮影地:静岡県伊東市
  

岩に生えている白い鳥の羽根のようなもの。これに素肌で触れると激しく痛みます。個人差がありますが、
触ったときの痛みだけの人もいれば、ミミズ腫れのようになって何日も治らない人もいます。ごく浅瀬の岩
でも普通にいますので、海で泳ぐときはシャツや手袋など皮膚は露出しない方がいいでしょう。  白い羽は
植物の様ですが、正体は刺胞動物で、【ヒドロ虫綱 軟クラゲ目 ハネガヤ科】のクラゲの仲間です。春から
初夏、シロガヤの羽に黄色の塊が付いているのを見かけますが「コルビュラ」と呼ばれる有性生殖部です。
よく見ると、羽の一部が変形して黄色の塊を包み込む様になっていますが、包み込む部分をコルビュラと呼
ぶ様です。黄色い塊はツブツブした有性生殖部の集まりで、海中に放出されて有性生殖時代となるものの、
シロガヤの場合は漂うクラゲにはならない様です。 「ミズクラゲ」や「アカクラゲ」など名前に「クラゲ」とつくも
のの、実際は動物のカテゴリーの名称ではありません。ふわふわと海を漂うクラゲは、子孫を増やす生活史
の中での有性生殖の変形バージョンです。生活史の中では浮遊せず、岩に着いているポリプの状態もあり、
無性生殖で増えて再び漂うクラゲとして漂います。  クラゲと呼ばれる生物はヒドロ虫綱、箱虫綱、鉢虫綱
など、いくつかのカテゴリーにまたがりますが、中にはふわふわ漂うクラゲバージョンにならない種類もいます
ので、全部ひっくるめてクラゲの仲間といってもおかしくはないのかもしれません…