ガラガラ|石灰藻(サンゴモ類)

Tricleocarpa cylindrica

← 映像リストに戻る

概要

撮影地: 砂底の藻場(浅海域)

分類・分布

紅色植物門 > フロリデ藻綱 > ウミゾウメン目 > ガラガラ科 > ガラガラ属 > ガラガラ(Tricleocarpa cylindrica

太平洋中部・南部の沿岸、小笠原諸島、九州、日本海沿岸、南西諸島、朝鮮半島、台湾、マライ諸島、インド洋
低潮線付近から斬深帯の岩上、タイドプールに生育

特徴・雑学

体は太さ1ミリ~2ミリほどの円柱状で、一定間隔の節ごとに叉状に分枝し、綺麗な半球状になる場合もあります。 表面は一見なめらかですが、よく見ると輪状のしわが見られ、枝の先端は切断されたように平らになります。
石灰質(炭酸カルシウム)を多く含むため手触りはやや硬く、乾燥するとさらに硬質で脆くなり、がらがらと崩れます。

硬く、脆くなることからガラガラと言う名前になったと思われがちですが、由来は学名のgaraxaura fastigiataのgaraから来ていると言われています。 本来は、gara=牛乳、xaura=黄金色、という意味です。(本ページ表示の学名はBISMalを参考にしています)

兵庫県では地域絶滅危惧種となっています。

石灰藻など、炭酸カルシウムを多く含む海藻は食用にされることも無く、無意味で厄介な存在とされてきましたが、 近年の研究では「将来の海洋炭素循環に対し重要な寄与」する存在とされてきています。
石灰藻は光合成で有機炭素を固定し、同時に炭酸カルシウム骨格として無機炭素を長期蓄積します。 条件が良い場では、石灰化による放出を差し引いてもネットで炭素吸収になると考えられています。

参考動画:カニノテ(有節石灰藻

食・利用

食用利用は一般的ではありません。硬質で粉砕されやすい特性から、装飾材や教材、海岸環境・炭素循環の研究対象として扱われることがあります。

毒・危険性

毒性は知られていません。

参考資料

← トップページに戻る
お問い合わせはこちら