概要
撮影地: 静岡県伊東市 賀茂郡
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:5分00秒
- サイズ:1.37GB
分類・分布
脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > イシダイ科 > イシダイ属 > イシダイ
北海道南部以南、台湾、中国
特徴・雑学
若いイシダイは明瞭な黒い縞模様を持っていますが、オスは成長すると徐々に縞が薄れ、やがて口元のみが黒くなる姿に変わります。
一方、メスは成長しても縞模様が消えることはありません。
体長が29センチほどになると未成魚から雌雄に分かれ、模様に差が表れ始めます。
縞模様の消えた雄は全長60センチを超えることも珍しくなく、「クチグロ」や「銀わさ」と呼ばれ、老成魚の証とされています。
メスは縞模様が消えないというものの、一部のメスは縞模様が不明瞭になる場合もあるようです。
小さい口ながら強靭な歯と顎を持ち、海底のフジツボや貝類を噛み砕いて食べます。
美味しいものを探して掘り返すような動作が観察されることがあり、摂餌行動には知性が感じられます。
水族館でカメとイシダイを一緒に入れると、イシダイは喜んでカメをつつくと聞きます。
海でもカメをつつくイシダイを観察していますが、一目散に近づいていく様子は、カメに付いたフジツボという「ごちそう」を憶えているような様子でした。
学習能力が高く、ダイバーに餌をねだったり人懐こい行動をとる個体も知られています。水族館で、魚の学習能力の展示をする際はイシダイがよく登場します。
参考動画:「イシダイとアオウミガメ」
食・利用
イシダイは高級魚として扱われ、刺身、塩焼き、煮付けなどの和食をはじめ、さまざまな料理に利用されています。しっかりとした食感と、ほのかに漂う磯の香りが特徴です。
この高級魚を養殖しようという試みは、50年以上前から行われてきました。
しかし、イシダイは生後約1年で成熟し、産卵期に入ると成長が停滞するため、効率的な養殖が難しいとされてきました。また、病気の発生も養殖の課題とされています。
それでも、大型になるほど価値が高まり、天然ものの漁獲には周期的な変動があることから、安定供給を目指した養殖の試行錯誤は今も続いています。
近年では「地産地消」の流れを背景に、各地でブランド魚としての畜養(短期蓄養)も盛んになってきました。
さらに、海ではなく陸上での養殖技術の開発や、成長が早く病気に強いイシガキダイとの交雑種「キンダイ(イシガキイシダイ)」の導入など、新たな取り組みも進められています。
毒・危険性
顎の力が強いので、釣り上げた直後などの場合は、口の中に指などを入れないように注意が必要です。
イシダイに限らず、水揚げ後の魚の歯で指を怪我をする事例は多くあり、指を欠損してしまう場合もあります。専用の道具を使用したり、手袋の着用が推奨されます。
近縁のイシガキダイはシガテラ毒を蓄積する事例がありますが、食性の違いからか、イシダイにシガテラ毒の蓄積は確認されていません。
参考資料
- 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)BISMaL ▶ 見る
- 原色魚類大図鑑 北隆館
- 魚の履歴書(上) 講談社 末広恭雄
- イシダイ成魚の体色,斑紋に現れた雌雄差
水産増殖Vil.11 No.2(1968)道津喜衛 ▶ 読む - イシガキダイおよびイシダイの斑紋にあらわれた2次性徴
長崎大学水産学部研究報告 第24号(1967)道津喜衛・夏苅豊 ▶ 読む - 小笠原におけるイシダイ養殖の可能性
東京都島しょ農林水産総合センター(2010) ▶ 読む - 定置網で漁獲されたイシダイの短期畜養による価格の向上
神奈川県水産技術センター(2017)村上哲士・鎌滝裕文 ▶ 読む - ⿂価向上に資するイシダイ蓄養⽔⾯としての活⽤・小田原漁港
漁港施設の有効活用ガイドブック(2021)水産庁 漁港漁場整備部 ▶ 読む - 小田原市学校給食 市内産食材を積極活用
タウンニュース(2023.3月) 株式会社タウンニュース社 ▶ 読む - 熱帯性魚類食中毒シガテラのリスク評価のための研究
国立医薬品食品衛生研究所(2016) 大城直雅 ▶ 読む