イシガキイシダイ|魚の雑種

Oplegnathus fasciatus x Oplegnathus punctatus

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概要

撮影地: 静岡県伊東市 水深0メートル、水深10メートル

分類・分布

脊椎動物亜門 > 条鰭綱 > スズキ目 > イシダイ科 > イシダイ属 > 雑種(イシダイ x イシガキダイ)

イシダイとイシガキダイの分布と同様。自然界ではごく稀。

特徴・雑学

イシダイ(縞模様)とイシガキダイ(ヒョウ柄の斑紋)という二種の魚の交雑個体が、イシダイ×イシガキダイ(通称イシガキイシダイ)と呼ばれる魚です。 模様は両方の特徴をあわせ持ち、縞模様のようでありながら部分的にヒョウ柄が混ざった模様をしています。
縞や斑紋がぼんやりしていて、はっきりとどちらかとは判別できないのが特徴です。また、模様は一定しておらず、左右非対称であったりと個体差があります。
体つき、特に口などはイシダイに寄っている個体が多いようですが、どちらが父でどちらが母かは画像や映像からは判定できません。
映像の流れ藻に棲む8センチほどの幼魚の頃、25センチほどの個体共に、イシダイ、イシガキダイの純血個体と共に過ごしており、違和感はありません。

1969年に、近畿大学が人工交雑に成功しており、養殖では「キンダイ」と呼ばれることもありますが「キンダイ」は登録商標でもあるため、 野生下での交雑個体にはその名は用いられません。魚類学者の鈴木克美氏による「イシガキイシダイ」という呼び名が一般的です。
交雑個体は二つの違う染色体が組み合わさることから、生殖のための減数分裂がうまくいかなくなることや、ホルモンバランスの異常により精子の形成が行われないなどの性腺の成熟不完全、 95%が雌になるなどの雌雄の偏りなどにより繁殖能力を持たないことが多く、世代を越えた継代(F2以降)の個体が自然界で確認された例はほぼ皆無です。。
それでも定置網などで「ごくまれに見ることがある」との報告があり、イシダイとイシガキダイの生息域が重なる場所では、一代限りのイシガキイシダイが存在します。

食・利用

食用としての評価や市場への流通はほとんどありません。 養殖されたキンダイについては取り扱われることもありますが、自然界で捕獲された交雑個体は珍しいため、基本的には鑑賞や研究対象とされています。

毒・危険性

イシガキダイは体内にシガテラ毒を蓄積することがあり、大型の個体の食用には注意が必要ですが、イシガキイシダイのシガテラ毒蓄積に関しては 情報量が少なく確認できませんでした。

参考資料

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