概要
撮影地: 静岡県伊東市 水深12m
- コーデック:H264-MPEG4AVC
- 解像度:1920x1080
- フレームレート:59.94
- 長さ:2分18秒
- サイズ:647MB
- (SAMPLE動画は1280☓720.30pです)
分類・分布
脊椎動物亜門 > 軟骨魚綱 > カスザメ目 > カスザメ科 > カスザメ属 > カスザメ
北海道以南、シナ海
特徴・雑学
カスザメは平たい体を持ち砂地に伏せていることが多く、一見するとエイのようですが、鰓孔が体側に位置するサメの仲間です。
本映像では、普段は見えない体側にあるカスザメの鰓を確認し、サメの仲間であることが見られる希少な映像です。
英語では「エンジェルシャーク」と呼ばれ、独特の体形から人気があります。
砂に身を潜めて魚類や甲殻類を待ち伏せして捕食する習性がありますが、夜行性で昼間はほとんど動かずに砂底に伏せています。
背面は細かいヒョウ柄でザラザラした質感を持ち、口のには短いひげがあります。
眼は小さく、巧妙にカムフラージュされていて目立ちません。すぐ後ろには三日月形に開いた噴水孔があり、目より噴水孔の方が目立ちます。
【コロザメとに違い】
コロザメとよく似ていますが、コロザメでは左右の眼の間隔よりも左右の噴水孔の間隔の方が短いという特徴があります。カスザメでは眼よりも噴水孔の間隔の方が長くなります。
また、胸鰭の外側の角度が90度から100度ならカスザメで、120度前後の鈍角ならコロザメ。カスザメには背中の中心線に棘がありますが、コロザメには無い。
という違いがあります*2)。
【胎生】
雌は体長80センチで成熟するとみられます。卵胎生で、12月から4月に胎仔を産むとされます。
卵胎生で胎盤は無く、2尾~10尾の胎仔は卵黄で育ちます。
妊娠期間は不明とされますが、10ヶ月~1年間であろうと推測されています(*1)。
出産時期はわかっていませんが、冬から春に出産するであろうと思われています。
参考動画:砂に潜るカスザメ
▶ 「砂に潜るカスザメ」の詳細ページを見る
食・利用
サメの中では一番おいしいという情報が多くありますが、一般的な市場流通は少なく珍味として扱われるようです。
ムニエルや煮付け(*3)、唐揚げなどで美味しいという情報がありますが、漁獲対象としての重要性は高くありません。
小田原の練り物加工業者による試験では、独特の匂いのあるシュモクザメやアオザメとは違って臭みは無く、そのまま加工が可能だったという記述があります(*4)。
毒・危険性
カスザメ自体に毒はありません。基本的には大人しいサメですが、万が一咬まれた場合は、意外と鋭い歯を持つため怪我をする可能性があります。
背中の中心の棘も小さいながら鋭く尖ります。
砂に潜んでいる状態から、俊敏に大きく反り返って獲物を飲み込む様子が観察された例があります。
参考資料
- BISMaL(JAMSTEC 生物情報)
▶ 見る - 原色魚類大図鑑 北隆館
- 日本産魚類大図鑑 東海大学出版 益田一、小林安雅 著
- *1)Squatina japonica-The IUCN Red List of Threatened Species
(カスザメ — IUCN レッドリスト-絶滅のおそれのある種のリスト-
R.H.L. Walls
IUCN 国際自然保護連合(2021)
▶ 見る - *2)おさかな雑録 No.59
三重県 水産研究所 企画・水産利用研究課(2011)
▶ 見る - *3)内之浦漁港に水揚げされる魚たち
鹿児島大学総合研究博物館(2018)
小枝圭太・畑 晴陵・山田守彦・本村浩之著
▶ 見る - *4)水産技術センター業務報告
神奈川県水産技術センター(2020)
▶ 見る