オオバウチワエビ|鎧を着たエビ

Ibacus novemdentatus

概要

撮影地: 静岡県伊東市 水深12m 5月

分類・分布

節足動物門 > 軟甲綱 > 十脚目 > セミエビ科 > ウチワエビ属 > オオバウチワエビ
相模湾以南

特徴・雑学

オオバウチワエビは沖合に面した海の、水深10メートルから300メートルまでの砂地に棲息するエビです。
頭胸骨はとても平坦で幅が広く、縁は大きな切れ込みが7歯~8歯あり、特に一番前は深く切れ込みます。眼の前縁も平坦で、縁は歯があり、まるで鎧を纏っているかのようです。 ウチワエビとよく似ていますが、ウチワエビの頭胸骨の縁の切れ込みは11本~12本で、小さく沢山の歯が並んでいます。 また、オオバウチワエビの頭胸骨の盛り上がった中心部には凹凸がありますが、ウチワエビにはありません。

食・利用

市場ではオオバウチワエビとウチワエビは区別されずに流通しているようですが、とぢらもイセエビにも引けを取らない濃厚な味のする美味しいエビとして定評があります。
漁獲量はごく少なく、鮮魚店で手に入れることは困難です。
長崎県、高知県、愛媛県など、九州や四国で地域の特産品として通信販売も行われています。 長崎県平戸市では、底引き網うちわえび漁で漁獲されたウチワエビを加工した、うちわ海老ラーメン、うちわ海老カレー、うちわえびせんべいなども存在します。

参考資料

  • 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)BISMaL ▶ 見る
  • 原色検索日本海岸動物図鑑Ⅱ 保育者 西村三郎編著
  • 海の甲殻類 文一総合出版 峯水亮著
  • 水産県 長崎ハンドブック 長崎県水産部 2023 ▶ 読む
  • 水産加工だより 2016 No.22 長崎県総合水産試験場 水産加工開発指導センター ▶ 読む
  • つたえる県ながさきvol.78 長崎県広報課 2022 ▶ 読む