ホソツツムシ属

茶柱が泳ぐ?海底の小さな建築家

Cerapus

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概要

ホソツツムシ属(Cerapus)は、細長い“筒(管)”を自分で作り、その中に体を入れて暮らす端脚目の小型甲殻類です。 海底に集まる姿は構造物のようで、生物には見えません。また、管のまま泳ぐ姿は、まるで漂う茶柱のようです。

分類・分布

【分類】節足動物門 > 軟甲綱 > 端脚目 > カマキリヨコエビ科 > ホソツツムシ属

特徴・雑学

【接着でつくるマイホーム】
ツツムシの仲間は、いきなり整った管を作るわけではありません。 まず最初に、自分の体を周囲の細かなゴミや有機物の粒(デトリタス / detritus)の中に巻き込み、 口の近くの腺から分泌される粘着性の糸状物質(アンフィポッド・シルク / amphipod silk)によってそれらを接着し、毛布のような塊を作ります。 この初期段階では形はまだ不規則で、構造的にも粗い状態ですが、その後この塊を基礎として外側に材料を追加したり、より細かい粒子を集めて整形したりすることで、次第に滑らかな円筒状の管へと作り直されていきます。完成した管の直径は体の大きさに非常によく適合しており、個体の体に合わせて調整されていることが知られています。 ツツムシの管は、「毛布状の初期構造 → 整った円筒構造」という段階を経て形成されると考えられています。

【壊れたらリフォーム】
ツツムシの仲間は、一度作った管を単なる巣として使うのではなく、生活の中心となる住居として継続的に利用します。
完成した管の内部に体を収めたまま生活し、外敵から身を守る防御や物理的な保護の役割を果たしていると考えられています。 多くの場合、個体は管の中から前半身だけを外に出し、周囲の様子を探ったり、餌となる粒子を取り込んだりしながら生活しています。

管は完成すれば終わりというものではなく、成長に合わせて材料が追加され、長さや太さが調整されることがあります。 体が大きくなって内部の空間が合わなくなった場合には、既存の管を拡張したり、新しく作り直したりする必要が生じます。 また、破損や劣化が起きた場合にも修復や再構築が行われると考えられています。

一部の種では、完成した管を持ち歩きながら生活することも知られており、その様子はヤドカリが貝殻を利用する生活にやや似ています。
管は海藻や付着生物などに一時的に固定されることもあり、個体は状況に応じて設置と移動を繰り返していると考えられます。 管を手放すのは、成長によってサイズが合わなくなった場合や、構造が壊れた場合、新しい生活場所へ移動する場合などです。 その際には一時的に管の外へ出て、新しい管を作り直します。
つまりツツムシは一生を通して管を利用し続けますが、同じ管をずっと使い続けるわけではなく、必要に応じて更新していく「交換可能な住居」といえるでしょう。

このようにツツムシにとって管は単なる巣ではなく、防御・移動・生活拠点を兼ねた重要な構造であり、その利用の仕方は成長段階や環境条件によって変化していくと考えられています。

【移動もできるマイホームづくり】
基本的には海底で生活するツツムシですが、移動する場面では、管ごと泳いでいる様子が見られます。
ツツムシが管ごと移動する理由ははっきりとは分かっていませんが、外敵から身を守りながら安全な状態で場所を移動するためや、 より餌条件の良い環境や付着しやすい基質を探すため、あるいは繁殖に関わる移動など、さまざまな要因が関係している可能性が考えられています。
ツツムシにとって管は、防御と生活の場を兼ねた重要な構造であり、それを保ったまま泳ぐことのできる、シンプルで移動しやすい形を作り出しているとも言えます。

蜘蛛のような海底生物「ウミグモ」

光学迷彩もつプランクトン「サファリナ」

和食のプランクトン「イサザアミ」

食・利用

人が食用にすることは基本的にありません。

毒・危険性

人に危害を及ぼす毒や刺胞の資料はありません。

参考資料

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