ウミケムシ|有毒の剛毛

Chloeia flava (Pallas, 1766)

概要

ウミケムシ:Chloeia flava (Pallas, 1766)

撮影地: 静岡県伊東市 水深10m

分類・分布

環形動物門 > 多毛綱 > ウミケムシ目 > ウミケムシ科 > Chloeia属 > ウミケムシ

日本各地、フィリピン、インド洋、ミクロネシア

特徴・雑学

ウミケムシは体長10cm、体幅2cmに達する海棲の多毛類で、背中の中心に沿って各輪節に紫褐色の斑紋があるのが特徴です。 斑紋の両側には、樹枝状の枝がある他、キチン(chitin)・結晶性炭酸カルシウム(crystalline CaCO₃)・およびアパタイト(apatite)でできた 「剛毛(stinging chaetae)」が並びます。

昼間は海底の砂の中過ごし、夜は水面まで泳ぐような活発な活動をします。 食性は肉食で動物プランクトンや小さな魚を捕食対象です。口は意外と大きく開き、夜釣りの釣り針に掛かることもあります。

ウミケムシ(1

ウミケムシ(2

ウミケムシ(3

食・利用

食用や漁業利用はされません。観察や研究対象として捕獲されることがあります。

毒・危険性

夜釣りで釣り上げてしまった場合に触れると、剛毛が刺さる場合がります。
剛毛には、Complanine(コンプラニン)という炎症誘発物質があり、触れると痛みやかゆみと共に腫れ、水膨れを引き起こします。 細く短い剛毛は触れると簡単に皮膚に刺さるため、素手で触らないことが有効です。
刺された場合の応急処置としては決して手で擦らず、セロハンテープやガムテープなどで「剛毛を完全に取り除く」ことが有効な方法です。

参考資料

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