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ホシテンス
星天須
Blue Razorfish
Iniistius pavo
撮影地:静岡県伊東市
  
ホシテンスは出会うのが難しい魚です。と言っても成魚のことで、幼魚に出会うのは難しくありません。
ホシテンスの幼魚は海底の砂地で波に翻弄されるかのようにユラユラと漂っています。頑張っているなと思いきや、よく観察すると自分で揺れて泳いでいるようです。角が生えたように見えるのは背鰭の前部が伸びたものなのですが、角のおかげで海に沈む枯葉のように見えます。海底に枯葉が沢山あると、ホシテンスの幼魚を探すのは非常に困難です。成長すると体の色は枯葉ではなくなり、角も少し短くなります。顔つきもアマダイの様に鼻筋が伸びます。泳ぐ力に自信が付いたのかユラユラと枯葉のように漂うことはありません。ただ、背鰭に黒い模様があるのは捕食者を騙すための目玉マークです。襲われた際に頭ではなく背中を咬まれるようにという万が一の対策です。このステージの若魚に会えるのは特定の場所であることが多く、幼魚の様に砂地ならどこでもということはなくなります。成魚になると捕食者を騙す必要も無くなるのか、背ビレの目玉模様が無くなります。角はさらに短くなり、立派な歯が見える顔つきには貫禄があります。
なぜか成魚にはなかなか出会えません。数が少なくなるのか、ダイバーの泳がない水深に移動するのかはわかりませんが、成魚に出会えたら幸運です。

スガ・マリンメカニック合同会社/アクアティック・プロ